ASK THE COACH コーチに聞く:練習中はできるのに、試合で失敗する理由は?

Coaching

トレーニングで培った実力を勝利につなげたい。カーラ・ローソン(デューク大学のバスケットボールコーチ)が、若きバスケットボール選手の悩みに答える。

最終更新日:2021年3月19日
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質問:

コーチへ

高校でバスケットボールをしていて、いつも練習に集中しています。シュートはほぼ毎回決まり、オフェンスにもディフェンスにも素早く対応して、とにかくすべてのプレーを楽しんでいます。でも試合になると、なぜか緊張して動けなくなってしまいますのです。突然、失敗するのではないかという恐怖感に身がすくみ、筋肉がシュートの打ち方を忘れたような感じになります。特に最悪なのは、練習中なら毎回決められるフリースロー。ゲームのたびに、不安がどんどん大きくなっている気がします。うまくプレーできる力があるはずなのに、本当に必要な場面で発揮する方法がわかりません。なぜこんな風になってしまうのでしょう。そして、どうしたらいいのでしょうか?

試合で実力を発揮できない
18歳のバスケットボール選手より

答え:

まず最初に、あなたの気持ちはとてもよくわかります。

私もたくさんのゲームで、悲惨なプレーをしたと思っていました。でもあとからビデオを見ると、それほど悪いプレーではなかったこともあります。試合中に感じる最悪な気分が、間違いだとは言いません。でも私たちは、自分の失敗を実際よりもかなり深刻に捉えすぎてしまう傾向があるのです。

これは誰もが経験すること。私に大きな学びをくれたのは、中学校のサッカーのコーチでした。試合が終わって自分のプレーにイライラしていると、コーチによくこう言われたものです。「完璧な試合なんてあるわけがない。ただ、完璧だと感じるプレーの回数を増やしなさい」と。つまり完璧なプレーヤーにはなれないけれど、完璧なパス、完璧なシュート、完璧なディフェンスは可能だということです。

もし私があなたの立場なら、信頼できる誰かと一緒に現実をチェックします。コーチと一緒にスタッツを見直し、自分の認識と現実のデータがどこまで合っているか確認します。プレーヤーはシュートを打っていない時に「うまくいかなかった」と語りがちですが、すべての数値をしっかり見る必要があります。必要な数値が伸びていれば、それは成長であり、完璧なプレーに近づいたという証拠です。

完璧なプレーヤーにはなれないけれど、完璧なパス、完璧なシュート、完璧なディフェンスは可能だということです。

プレッシャーに負けず結果を出す

練習ではうまくできていることが、試合では発揮できない。そんな悩みには「それが人生!」と答えておきましょう。決してふざけているわけではありません。でもほとんどプレッシャーのない練習で身に付けたスキルを、凄まじい重圧がある本番で発揮するのは極めて難しいこと。シュートを上達させようと1週間も練習したのに、ゲーム中に外して「先週あんなにシュートの練習をしたのに!」と悲嘆するプレーヤーたちを見てきました。そんな時は「じゃあ、あと2〜3年練習を続けてみて。話はその後でね」と伝えます。若い人たちの多くは、成長にかかる時間を誤解しているのです。種をまいたらすぐに芽を出す植物とは違いますから。

重要なのはシュートだけでなく、どんな形でもチームに貢献することなのです。

本当の意味で成長したいなら、私が現役時代にやっていたことを実践してください。それは毎日ボールに触ってスキルを磨くこと。毎日です。家の庭でもいいし、近所の公園でもいいので、自分なりの練習場所を確保してください。1ヵ月続けてみると、自分の上達ぶりに驚くと思いますよ。そのまま2ヵ月、3ヵ月と継続しましょう。

繰り返すことで、練習と同じことが本番でもできるようになります。

Repetition is also what will get you over one of the biggest obstacles every athlete faces: a lack of confidence. It will allow you to trust that you can make this shot, this pass, this stop, because you’ve done it so many times before. If you dedicate yourself to repetition and draw on a real love of the game, I know you’re going to rise to the occasion in the moments that matter most.

Coach Lawson

カーラ・ローソンは、デューク大学女子バスケットボール部のヘッドコーチ。これまでにボストンセルティックのアシスタントコーチを務め、実況解説者としても高い評価を得ている。WNBAでは13シーズンにわたって活躍し、マナークスに優勝をもたらした。2008年にはチームUSAのメンバーに選出され、北京で開催された夏の世界大会で金メダルを獲得。テネシー州を代表する名選手として、レディー・ボルスを3度もNCAAファイナル出場に導いた。

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イラスト:ハリソン・フリーマン

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公開日:2021年3月16日

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