土踏まずをサポートするインサートの選び方について、足病医が解説

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土踏まずのサポートやクッショニングに優れたシューズを探している人は必見。 ここでは、土踏まずをサポートするインサートを選ぶ際に注意すべき点について、足病医の意見をご紹介。

最終更新日:2022年8月8日
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土踏まずをサポートするインサートの選び方について、足病医が解説

サポート性に優れ、自分の足にフィットするシューズを良好な状態に保っていれば、長期間にわたりクッション性と履き心地の良さが保たれる。 さらにワンランク上のサポートを求めているなら、土踏まずをサポートするインサートが解決策になるかもしれない。

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「土踏まずをサポートするインソールは、足を適切にサポートしてクッション性を発揮し、足と足首の使いすぎを防ぐためのものです」と説明するのは、手足治療医学士(D.P.M.)の資格を持ち、 米国足・足首外科医学会フェロー(F.A.C.F.A.S.)であるマーク・J・メンデスゾーン氏

土踏まずをサポートするインソールは、薬局やランニング専門店で処方箋なしで購入できる。 あるいは、足病医に相談して自分の足にぴったりのインソールを作ることも可能だ。

「オーダーメイドのインソールは患者のニーズと足の形状にぴったり合うよう作られており、素材、スタイル、厚さ、長さなどもさまざまです」と、D.P.M.と理学修士号(M.S.)を持つアレックス・コウ氏 は説明する。

ここでは、土踏まずをサポートするインソールについて、メンデスゾーン氏とコウ氏が教えてくれたことをくまなく紹介する。

足の痛みや怪我のつらさを和らげるためにインソールが必要なら、まずは医者に最善の選択肢を相談しよう。

土踏まずをサポートするインソールの効用

足、足首、膝下の不快感や痛みを軽減したいなど、土踏まずをサポートするインソールを試そうと思う理由はさまざまだ。

「土踏まずのサポートは、足底筋膜炎、腱の問題を伴う扁平足、クッショニングの問題を伴う甲高、シンスプリント、つち指(ハンマートゥ)、腱膜瘤、その他足の構造上の問題などの軽減に役立ちます」とメンデスゾーン氏は言う。

コウ氏によると、土踏まずをサポートするインソールは、以下のような足の問題を抱える人に有効とのことだ。

  1. 足底筋膜炎:「足底筋膜炎とは、土踏まずとかかとの底部にある靱帯の使いすぎにより起こりやすい炎症のことです。 使いすぎの原因は、足の構造、支える体重、足の形状、活動レベル、シューズなど、さまざまな要因が考えられます」とコウ氏は説明する。

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  2. 扁平足:「扁平足とは、足裏の土踏まずがない、もしくは大幅に潰れている状態の足です」とコウ氏は説明する。 「通常、扁平足は(歩行、登坂、ランニング時に)プロネーション(回内)の状態で機能します。 足の構造は硬い場合も、柔らかい場合もあります」とのことだ。

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  3. ニュートラルな足:「ニュートラルな足とは、直線的な形状の足を指します」とコウ氏。 言い換えると、ニュートラルな足とは甲高でも扁平でもない足ということになる。

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  4. 甲高:「甲高の構造だと体重が均等に分散されないため、親指の付け根の膨らみとかかとに過剰な摩擦、圧力、重量がかかります。 また、この足の構造は足首を捻挫しやすい傾向があります」とコウ氏は説明する。

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土踏まずをサポートするインサートの種類

足の痛みを引き起こすさまざまな原因や、インソールの種類などを考え出すと、自分に最適なインサートがどれなのか分からなくなってくるかもしれない。

単純に考えられるよう、インソールを厚手(クッショニングが最大)、普通(クッショニングが中程度)、薄手(クッショニングが最小)の3つに分類しよう。 メンデスゾーン氏は、それぞれを以下のように説明する。

  1. 厚手のインソール:シューレース付きのシューズ(ハイキングブーツやランニングシューズなど)に使われることが多い。
  2. 普通の厚さのインソール:シューレース付きシューズほどのスペースとサポートのない、カジュアルに履くシューズや薄型の運動シューズのようなシューズに使われることが多い。
  3. 薄手のインソール:ドレスシューズや革製のスリッポンシューズなどによく使われる。

土踏まずをサポートするインソールの選び方

ベストなのは医者の指示に従って足の痛みや不快感を解消することだが、ランニング専門店でシューズのスペシャリストに相談し、処方箋が不要のインソールを購入するのも1つの選択肢だ。

「店舗で正しい土踏まずサポートを選ぶには、ランニングシューズ担当の店員やシューズのスペシャリストに聞くことをお勧めします。彼らは知識があり、訓練を受けていますから」とメンデスゾーン氏は言う。

シューズのスペシャリストに足のタイプ(扁平足、ニュートラル、甲高)を判定してもらおう。 その後は、シューズにインソールを正しく入れる方法を知っておくことが重要だ。

「シューズにインソールを入れるときは、シューズに入っていた元のインソールを取り外し、店舗で購入したインソールや、足に合わせて作られた矯正器具を正しく入れ、シューズにぴったりフィットさせることがとても大切です」とメンデスゾーン氏は説明する。

元のインソールを入れたまま、その上に新しいインサートを入れると、詰め込みすぎになってしまう場合がある。 「そうすると、足にとって上下方向の余裕がなくなってしまい、 つま先(特にハンマートゥの場合)に傷みが生じることもあります」とコウ氏は言う。

土踏まずをサポートするインサートを正しく選ぶための5つのヒント

  1. 1.自分のシューズのサイズと足のタイプを知る

    自分に合ったインサートを見つける鍵は、足のサイズと形状を知ることだ。

    「シューズのサイズと足の形状のタイプが分かれば、自分に合ったデザインのインサートが見つかるでしょう。 店舗販売用インソールのメーカーの多くは、甲高、扁平足、ニュートラルな足に合わせて、さまざまな種類のインソールを作るようになっています」とメンデスゾーン氏は説明する。

    扁平足の人にメンデスゾーン氏が推奨するのは、厚めまたは普通の厚さのインソールが付属している、安定性を重視したシューズやモーションコントロールシューズだ。

    ニュートラルな足の人は、一般的に扁平足や甲高の人ほど大きな問題を抱えていないと言う。 「ですから、適切なシューズに普通の厚さか薄手のインソールを入れると良いでしょう」と同氏は付け加える。

    最後に、メンデスゾーン氏によると、甲高の人は一般的にクッショニングの効いたインソールが良いという。 「薄手のインソールか、コントロール効果が最小限のインソールが最適です」とのことだ。

  2. 2.購入前にインサートを入れて試し履きする

    時間とお金を無駄にせずに済む簡単な方法は、土踏まずサポート用の新しいインサートを選ぶ時に、購入前に試すことだ。

    「購入を勧められても、まずは試してみることが重要です。 試し履きや返品ポリシーの確認をせずにオンラインで購入することは避けましょう」とコウ氏はアドバイスする。

  3. 3.インサートが自分のシューズにぴったりフィットすることを確認する

    初めからインサートがぴったりフィットするのを確認するために、いくつか知っておくべき点がある。

    「つま先がきつく感じたり、足がしびれたり、かかとがシューズからスポンと抜けたりせずに足が心地良くフィットするよう、シューズに十分な余裕が必要です」とメンデスゾーン氏は言う。

  4. 4.慣らし期間を設ける

    「一般的に最初の1週間は、歩いたり毎日のアクティビティにインソールを使ったりすることで、体が足の新しいバイオメカニクスに順応し、筋肉、関節、腱が馴染むようになります」とメンデスゾーン氏は言う。

    ただし、激しいワークアウトの直前にインソールをシューズに入れてはいけない。 「インソールをシューズに入れてすぐに激しいワークアウトや長時間のワークアウトを行うのは避けましょう。問題が悪化する恐れがあります」とメンデスゾーン氏は補足する。

    なぜなら、インソールや矯正器具によって下肢のバイオメカニクスが変わるからだ。 「したがって、関節、筋肉、腱がインソールに慣れるまで、しばらく時間がかかるのです」と同氏は言う。

  5. 5.12か月後にインサートを交換する

    自分に合ったインソールを見つけた後は、交換を忘れずに。

    「一般的に、店舗で購入したインサートの寿命は、毎日運動や通常のアクティビティで履いた場合、最大12か月です」とメンデスゾーン氏。

    一方、足に合わせてカスタマイズされた矯正器具の寿命は、患者の活動レベル、体のタイプ、矯正器具の種類によって異なる。 スポーツシューズ用にしっかりと足に合わせてカスタマイズされた矯正器具なら、平均2~5年は持ちこたえる。

    「足は徐々に変化していくため、眼鏡のレンズの処方箋が変わることがあるように、足のインソールも同じです。 長期間、矯正器具を使っているうちに痛みがなくなることもありますが、足に合わせてカスタマイズされた矯正器具の効果がなくなることもあるのです」と、メンデスゾーン氏は付け加える。

文:エミリー・シファー

公開日:2022年7月29日