クロスフィットの最高のWODとは？
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これだけは知っておきたい、というクロスフィットのWOD（Workout Of the Day：今日のワークアウト）に関する知識を、2人の認定トレーナーが紹介。
クロスフィットは、楽しくて難易度の高いワークアウトメニューを組めることで評判だ。 クロスフィットの肝となるのは、各ジムが組んでいるWOD（Workout Of the Day）、つまり今日のワークアウト。 クロスフィットのWODとは、クロスフィットの施設で行われている特殊なワークアウトで、毎日違うメニューが用意されている。
クロスフィットを心ゆくまで体験するには器具や指導の整ったクロスフィット施設に行くことが推奨されるが、各施設のウェブサイトでWODが公開されているので自宅でも真似できる。 とは言え、それでは検討するクロスフィットのWODが膨大な数になってしまう。 では、どれが最適なクロスフィットのWODだと言えるのだろうか？ その疑問にクロスフィットのトレーナーが詳しく答えていく。
クロスフィットのWODの目的は？
クロスフィットでは、ワークアウトをランダムに提案しているわけではなく、フィットネスや健康を向上させるようにデザインされている。そう説明するのは、CrossFitレベル4トレーナーのデニース・トーマス氏。
「フィットネスの定義は、幅広い時間やモードの区分にわたる作業能力とされています」とトーマス氏は述べる。 「作業能力とは、身体的なタスクを無限に行うことで生み出される力の量です。 力が重要であるのは、計測可能であり、成果の報告が求められ、強度としても定義できるからです。」
さらにトーマス氏は、「強度は、能力に対して適切に定めされた場合に素晴らしい結果を生むため、非常に重要です」と話す。
トーマス氏によると、クロスフィットのWODは、非常に短い時間の中で極限までの取り組みが求められるものから、バリエーションを交えながら行う長いものまで、さまざまな種類のエクササイズがある。 「限られた時間の中で最大の能力を発揮できる力を手に入れるために、このような刺激を取り入れています」とトーマス氏は述べる。
WODには、体操、重量挙げ、有酸素運動など、さまざまな手法が含まれている。 「私たちのプログラムでは、フィットネス全般を幅広く包括的に向上させることを目的として、あらゆることに取り組みます」とトーマス氏は話す。
週4～5日行い、自分のフィットネスレベルに応じてワークアウトを調整し、適切に休息日や回復日を設け、食事に気を配る参加者が最高の結果を出している、とトーマス氏。 「この12週間のプログラムは、短期間で手っ取り早く行うことを目的としたものではありません」とトーマス氏は語る。 「クロスフィットを理解するには、たゆまぬ努力と、私たちの加盟店でクロスフィットのコーチと共に時間をかけて信頼関係を育むことが欠かせません。」
最もおすすめのクロスフィットのWODとは？
答えは質問する相手によって異なる。 セミナーエクセレンスマネージャーであり、CrossFitレベル4トレーナーであるチャック・カースウェル氏には、個人的に気に入っているWODがあるという。
自身が厳選したWODについてカースウェル氏は、「指示にあるとおりの負荷に対処できる動きやスキルの習熟度を、長年にわたって上げてきました」と話す。 同氏は、指示どおりの負荷でワークアウトに挑戦する前に、「まずは動作のスキルを固めて、キャパシティを広げること」から始めるように勧めている。
ここで、カースウェル氏とトーマス氏がおすすめするクロスフィットのWODのリストを紹介しよう。
1.Grace
回数：
135ポンドでクリーンアンドジャークを30回（男性）
これは指標となるワークアウトで、全体的な成長を測るために繰り返し行うよう設計されている。 「前回のクリーンアンドジャーク30回よりも時間を短縮できていれば、フィットネスが向上していることになります。 このワークアウトの負荷は、軽度から中度とされます。 そのため、オリンピック競技のように最大重量を1回だけ持ち上げるのではなく、30回繰り返すようになっています」と、カースウェル氏は説明する。2.DT
5ラウンド実施：
155ポンドでデッドリフトを12回
155ポンドでハングパワークリーンを9回
155ポンドでプッシュジャークを6回
DTは、米国空軍軍曹のティモシー・P・デイビスに敬意を表して作られた「ヒーロー」ワークアウトだ。 「ヒーローワークアウトは、クロスフィットの中でも最も難易度の高いワークアウトで、デイビス軍曹への追悼の意を込めて作成されました」とカースウェル氏は話す。
ここで推奨されている重量はすべて、男性向けであることに注意して欲しい。 またカースウェル氏によると、人によって目的も異なるとのことだ。 認定パーソナルトレーナーまたはクロスフィットトレーナーと一緒に取り組んで、ワークアウトを安全に続けられる範囲の重量を判断してもらおう。3.Isabel
回数：
135ポンドでスナッチを30回
Isabelも指標となるワークアウトで、「ほぼ間違いなく技術的に最も複雑な動き」だとカースウェル氏は述べている。
上記の記載重量も、一般男性向けに推奨される重量だ。 専門家と協力して、自分自身や自分の目標に適した重量を検討しよう。4.Fight Gone Bad
3ラウンド実施：
20ポンドのボール、10フィートのターゲットでウォールボール
75ポンドでスモウデッドリフトハイプル
20インチのボックスでボックスジャンプ
75ポンドでプッシュプレス
ロー
このワークアウトでは、1分間エクササイズをするごとに各ステーションを移動する。 「エクササイズの途中で時間をリセットしたり、止めたりはしません」とカースウェル氏。つまり、次のワークアウトを繰り返す前に、最低でも1分間は休憩ができる。
このワークアウトは、「各ステーションの負荷は軽いかゼロで、スクワット、プッシュ、プル、ジャンプを行うため難易度が高い」とカースウェル氏は話す。5.Jackie
回数：
ローを1,000メートル
スラスターを50回（45ポンド）
プルアップを30回
ワークアウトを完了するまでにかかった時間でスコアが決まる。 「Jackieは、あらゆる要素が少しずつ取り入れられた、典型的なクロスフィットの指標となるワークアウトです。 10分未満で、心拍数が上がり、乳酸が燃焼し、握力が求められます」と、トーマス氏は説明する。6.2,000 Meter Row
回数：
ローを2,000メートル
「まずはテクニックではなく、全力を出すことにフォーカスします。そして、スキルへの注力を上げつつ限界までエネルギーを発揮していくステップに進み、最終的には技術力に比重を置いて労力を節約することにより、効率的なローイングを目指します」とトーマス氏は説明する。 「ローイングマシンは素晴らしい器具ですが、扱い方が悪いと必要以上にエネルギーを消費してしまいます。 広背筋、殿筋、大腿四頭筋、心拍など、幅広く働きかけてくれるのが魅力です。」7.Nasty Girls
3ラウンド実施：
エアスクワットを50回
マッスルアップを7回
ハングパワークリーンを10回（155ポンド）
「3種類のワークアウトが組み合わさり、シンプルさ、複雑さ、重い負荷をすべて経験できるメニューです。 このワークアウトの素晴らしいところは、それぞれの動きが異なる作用をもたらしながらも、互いに干渉し、疲労をもたらすことです」とトーマス氏。
「エアスクワットでほどよく足の燃焼を促し、ハングパワークリーンで燃焼を加速させ、7回のマッスルアップを切れ目なく行って完成します。このマッスルアップの疲れは、ハングパワークリーンのときの握力にも影響します」と説明する。
自宅でクロスフィットのWODを行う前に検討すべき点
ワークアウトのためにクロスフィットの施設を訪れる人がいる一方で、「どこでもバーチャルに、必要最低限の器具で行う」ことも可能、とカースウェル氏。「そうしたワークアウトを、ガレージ、庭、公園、オフィス、ホテル、道路で行うことも少なくありません」と同氏は付け加える。
しかし、コーチングは役に立つ。トーマス氏によると、「コーチは、その人に合った適切な手順で指導してくれます。 クロスフィットは誰でもできますが、楽しんで続けていくには、これまでの経験、現在のスキル、今後の目標を把握することがとても重要です。 適切なクロスフィットに出会えないと、途中で匙を投げてしまったり、残念な体験になったりしかねません」とのことだ。
文：コリン・ミラー