「気持ちが安らぐ」食品を再定義する

Coaching

食事の節度を保つのに苦労しているのなら、最初の一口よりも、食後にその食事をどのように感じたかを考えることで、あらゆる夕食(デザートまで含めて)をコントロールできるかもしれない。

最終更新日:2021年2月15日
「気持ちが安らぐ」健康的な食品とは

多くの人にとって、ホリデーシーズンに家族の食卓に並ぶ食べ物は、ツリーの下に並ぶプレゼントよりもワクワクさせてくれる存在だ。おばあちゃんのエンパナーダ、叔母やいとこが作ってくれたテーブルいっぱいのクッキー、プディング、パイ。そして、これらを食べたときの記憶は、あなたの心を喜びで満たすだろう。しかし、あなたの身体は違うことを記憶しているかもしれない。

それらは、あなたが良い気分になる「気持ちが安らぐ」食品だ。しかし、多くの場合、食べた後に膨張感を感じたり、憂鬱になったり、自分自身に罪悪感を感じたりする。

何を「気持ちが安らぐ」食品とみなすか

ロサンゼルスで有資格のヘルスコーチとして活躍し、クリスティン・オレニック・ウェルネスの創立者でもあるクリスティン・オレニック氏によれば、「気持ちが安らぐ」食品とは、友人や家族と祝いごとをする時のようなポジティブな感情や体験と結び付いた、甘い食品、塩辛い食品、脂肪分の多い食品だと言う。大学の友人と試合を見ながら食べたピザも、子どものときに好きだった鳥の唐揚げも、もちろん、誕生日を祝って食べたケーキもそうだ。

ストレスを感じているときに『気持ちが安らぐ』食品を食べると、少し気分が良くなることがあります。孤独なときなら安心感を持ち、ノスタルジックな気分のときなら、特定の記憶が呼び起こされるでしょう」と言うのは、『Eating Behavior and Obesity』の著者であるシャフラム・ヘシュマット博士だ。これは感情的な摂食で、かなり一般的なことではあるが、頻繁に起こると精神的、身体的にネガティブな結果を引き起こす可能性があると言うのは、ニューオーリンズのオクスナー医療センターの臨床心理学者であるダナ・グルーバー博士だ。

「ストレスを感じているときに『気持ちが安らぐ』食品を食べると、少し気分が良くなることがあります。孤独なときなら、安心感を持ち、ノスタルジックな気分のときなら、特定の記憶が呼び起こされるでしょう」

シャフラム・ヘシュマット博士
『Eating Behavior and Obesity』の著者

もう1つの問題は、当然ながら、食品に甘味、塩味、脂肪分を付加している成分(とりわけ砂糖、塩、クリーム、チーズ、バター)を大量に摂取するのは、身体に悪い傾向があるということだと、オレニック博士は言う。では、正直に思い出してみよう。ドーナツや大きなハンバーガーを食べた後、どれぐらいの頻度でジムに行き、デートや仕事に戻ってから快適な気分になったことがあるだろうか?

これは、高カロリーの食品を食べてはいけないという意味ではない。より健康的なアプローチをすべきだということだ。最初のステップは、マインドフルな食事、つまり「食べるプロセスをスローダウンし、食べ物に集中してよく味わうことで、少量でもより大きな満足感を得られるようにする」ことだと、グルーバー博士は言う。次のステップは、バランスを見つけること。大好物のサンデーも、一口ごとに味わって食べすぎないようにすると、自分にとっての「気持ちが安らぐ」食品の意味を再定義できる。やり方はこうだ。

1. 「気持ちが安らぐ」の本当の意味を知る。
快適になるのは、食べている間ではなく、食べた後の身体の状態だと言うのは、プレジション・ニュートリションでカリキュラムのディレクターを務めるクリスタ・スコット=ディクソン博士だ。「一時的なしびれ、つまり『食品でマヒしている状態』ではなく、穏やかで持続可能で集中力と注意力がある状態、つまり『気分良く覚醒した状態』を感じるべきです」と彼女は言う。あなたは、無気力でもなく、苛立つのでもなく、日曜の朝に一杯のコーヒーを飲みながらバルコニーに座っているときのような気分でいたいはずだ。

スコット=ディクソン博士は、食事の直後、食後1時間(身体が消化を始めた頃合い)、翌朝、そして数日後まで自分の身体の状態をチェックして、本当に気分が良くなる食品を見つけることをすすめている。不快な満腹感や胃の膨満感は、すぐに現れるかもしれないが、膨満感の増大や胃腸(GI)の問題や疲労といった危険信号は、現れるまで12-24時間かかることもあるからだと彼女は説明する。これらは、あなたの身体がその「気分が安らぐ」料理を卒業したいというサインかもしれない。

2. 1つの成分だけでなく、多くの成分が含まれた食品にこだわる。
飽和脂肪酸やトランス脂肪酸が高い食品ではなく、カロリーゼロの食品を選び、砂糖が大量に含まれた食品ではなく、より良質な栄養が含まれた食品を選ぼう。たとえば、バターの代わりにアボカドを使えば、同じようにクリーミーでありながら、より健康的な種類の脂肪分を摂取できる。あるいは、アーモンドやカシューナッツから作られた、抗酸化物質が豊富な「チーズ」を試してみるのはどうだろうと、オレニック氏は提案する。そして、可能な場合は、精製された砂糖ではなく、フルーツ(ベリー類やデーツ)を選ぼう。栄養豊富なホールフード(フルーツ、野菜、全粒粉など)は、身体を良い状態にしてくれるだけでなく、心も安らげてくれるとオレニック氏は言う。

3. 腸に注意する。
専門家が「腸と脳のつながり」と呼ぶ消化管内のバクテリア、つまり腸内細菌は、中枢神経系に信号を送る。だから、あまり健康的でない食品を食べると、腸内細菌の調子が悪くなり、普段よりストレスを感じたり、悲しい気持ちになったりするのだと示唆する研究もある。食物繊維が豊富な全粒穀物やレンズ豆、オメガ3脂肪酸が豊富な脂肪(くるみ、亜麻、チアシード)、発酵食品(ケフィア、ザワークラウト、キムチ)など、腸の善玉菌を増加させる食品を食べると、身体にも心にも良い効果があるとオレニック氏は言う。なぜなら、このような食事(恐らく、プロバイオティクスを含んだ食品であっても)を毎日食べることは、腸内細菌のバランスを整え、身体的にも精神的にも良い状態にしてくれる可能性が高いからだとオレニック氏は説明する。

これらのヒントに従えば、夕食のテーブルで新しい快適さを見つけることができるはず。それは、きっと未来の自分を意識していることから生まれる快適さだ。

「気持ちが安らぐ」健康的な食品とは

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公開日:2020年12月4日