仕事に睡眠の邪魔をさせない

Coaching

専門家が紹介する3つのヒントを使って、遅い時間まで働いてもぐっすり眠れるようになろう。

最終更新日:2020年12月23日

もし今、あなたが多くの人と同じ境遇にあるなら、自分専用の作業スペースがなかったり、通勤することで仕事とプライベートを分けたりしているだろう。夕食を食べながらメールに返信したり、To-Doリストのチェックに追われて、いつもはリラックスして見るシリーズ番組も見逃したりしているのではないだろうか。一度パワーダウンするとどっと疲れが押し寄せるので、睡眠時間さえ増やせばしっかり眠れるはずだと思っているかもしれない。でも、エキスパートは、そうではないと。

仕事で夜更かししてもぐっすり眠るためのヒント

「特にコンピューターの画面の前で遅い時間まで仕事をしていると、カフェインやニコチンが影響を与えるのと同じように心身ともに過覚醒の状態になり、睡眠の質と効果を低下させる可能性があります」と、アルバータ州カルガリーのCentre for Sleep and Human Performanceで医長を務めるチャールズ・サミュエルズ医学博士は言う。

たとえば、午後9時に大きなプレッシャーを感じているプロジェクトについてメールで返信するとしよう。20分後、あなたは歯を磨きながら、それについてまだ考えている。さらに15分後、ベッドにもぐりこむものの、疲れを感じるというより神経が高ぶっているあなたは、自然にすんなりと眠りに落ちることがなかなかできないでいる。

「特にコンピューターの画面の前で遅い時間まで仕事をしていると、カフェインやニコチンが影響を与えるのと同じように物質的にも精神的にも過覚醒の状態になることがあります」

チャールズ・サミュエルズ医学博士、Centre for Sleep and Human Performance医長

睡眠に影響を与える要因は2つある。テクノロジーと仕事そのものだ。コンピューターや携帯電話から出る短波長のブルーライトにさらされると、脳が眠りに落ちるのを助けるメラトニンというホルモンの放出が妨げられる、とサミュエルズ博士は言う(ちなみに:サミュエルズ博士によれば、テレビの画面からは他のデバイスと同じ波長の光が出ていないらしい。そのため、ベッドに入る前にドラマのエピソードを1つ見たり、何かリラックスできる番組を見たりしても、睡眠が妨げられることはないそうだ)。

また、感情や知覚を刺激する何かに取り組んでいると、「実質的に、眠りに落ちるまでの時間が余計にかかり、その結果合計睡眠時間が短くなって、翌日あまり休息できた感じがしなくなる」とサミュエルズ博士は言う。レム睡眠(すばやい眼球の動き)も短くなると彼は付け加える。National Sleep Foundationによれば、レム睡眠は学習、記憶、気分に良い効果を与えると考えられている睡眠のサイクルである。仕事ができる人なら、この効果を利用しない手はないはず。

たとえば、あなたが仕事の締め切りを延長しても、上司がとりたてて問題にしない人なら、毎晩7時間以上の睡眠を確保できるだろう(そして、もしそうならその上司を称賛しよう)。しかしそうでないなら、あなたの睡眠を守るためのヒントをいくつか教えよう。

  1. 絶対にブルーライトを消す
    一般的に、メラトニンの分泌はベッドに入る4-6時間前に始まる。デバイスをシャットダウンすべき明確な時間の目安はないが、サミュエルズ博士によれば、理想的にはベッドに入る4時間前、遅くとも1時間前からブルーライトを避けるべきである。毎日のリマインダーが必要なら、定期ミーティングとして仕事のカレンダーに書き込んでおくといい。やることが山積みの場合は、可能なら資料を印刷するか、ブルーライトフィルターアプリをダウンロードするか、る波長を通さない特殊なレンズのブルーライト遮断メガネを着用しよう。
  2. 早めに出社する
    夜中の2時にクリエイティブな気持ちで良い仕事ができるかどうか考えてみよう。科学的に見ると、あなたには不利な状況だ。「知覚的な効率性とは、基本的にどれほどすばやく、正確に、そして簡単に物事を処理できるかということで、常に頭が完全に休息した後の方が良い結果が出ます」と、サミュエルズ博士は説明する。一般的ではない時間帯に働いていたり、勤務時間外に働いたりしている場合、精神的に最も要求が厳しい仕事は、1日の終わりに近い時間帯ではなく、最も注意力が働く時間帯に片付けてしまおう。「ハードな時間を早めに終わらせることで、睡眠の質が向上し、仕事の質も良くなるでしょう」と、サミュエルズ博士は言う。
  3. ルーチンを作ってそれを守る
    National Institute of General Medical Sciencesによれば、不規則なスケジュールは、体の機能(つまり、自然に眠り、自然に目が覚めるサーカディアンリズム)を阻害する可能性がある。また、体重増加や気分の低下にも関連がある。看護師や夜勤のある仕事のように、夜遅くに仕事をせざるを得ない場合は、それに慣れるように体をトレーニングできる。夕食の時間、ベッドに入る時間、起きる時間をすべて遅い時間にずらすと良いとアドバイスするのは、ミネアポリスにあるミネソタ大学Halberg Chronobiology Centerのリサーチサイエンティスト、リンダ・サケット=ランディーンだ。ただし、新たに設定した時間には一貫性をもたせる必要がある。

    そして、最高の働き手とは勤務時間外に自分自身のケアをする人のことであるということも忘れてはならない。睡眠を優先することによって、あなたはチームにも貢献しているのだ。

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公開日:2020年11月6日