脚を鍛える日のためのトレーナー公認ウォームアップ エクササイズ10選
スポーツ&アクティビティ
脚を鍛える日にウォームアップが欠かせない理由や、ウォームアップによってパフォーマンスが向上し、怪我が防げる理由、そして最も効果的なルーティーンを作るトレーナー公認エクササイズをご紹介。
ウォームアップの原則:
- 体幹の温度を上げる
- 関節を動かす
- 臀筋と体幹を活性化させる
- 脚を鍛える日の運動パターンをリハーサルする
脚のトレーニング日が楽しみな日でも、不安な日でも、最初の気持ちは同じだろう。選んだエクササイズにできるだけ早く取りかかりたいはずだ。しかし、まずはウォームアップに時間を割くことで、セッションの効果が高まるだけでなく、怪我のリスクも低くなり、ワークアウトに適した脳と体のつながりをつくりだすのにも役立つ。
「適切なウォームアップは、膝と股関節の滑液の流れを良くし、動きやすくするだけでなく、神経系も活性化させます」と、ニューヨーク市で筋力&コンディショニングコーチを務めるCSCSのレダ・エルマルディは説明。「つまり、脳が下半身とのつながりを強化し、セッション全体がより効果的になります」と続ける。
ここでは、このような主なメリットと、脚を鍛える日におすすめのウォームアップルーティンを紹介しよう。
脚を鍛える日にウォームアップが重要な理由
効果的なレッグデイウォームアップの基本は、軽めのカーディオエクササイズや、本番のワークアウトと同じ動作のエクササイズだ。これにより、筋肉を動かす、関節を動かす準備をする、神経系を活性化させるという3つの主要な方法で効果を得られる。
ウォームアップが筋肉の活性化を向上させる仕組み
スポーツ医学の研究によると、ウォームアップは体温を上昇させ、神経筋系を刺激することで、トレーニングセッションや競技の負荷に備えることができる。これは、脳と筋肉のつながりを強化することによって行われ、出力の向上と全体的なコーディネーションの向上につながることが実証されている。
アメリカ心臓協会の報告によると、ウォームアップは血流と体温を上昇させ、筋肉により多くの酸素と栄養を送ることにつながる。その結果、柔軟性が高まり、ワークアウト中の効率が向上する。
ウォームアップが関節に与える効果
滑液は、膝、肩、腰などの特定の関節に見られる粘稠性の液体で、潤滑と摩擦制御の役割を担い、衝撃吸収材として機能する。この滑液が適切に流れることで、スムーズな動きと可動域の拡大が可能になる。エルマルディによると、ウォームアップは関節を通るこの滑液の量を増やす効果がある。
関節炎財団によると、定期的な運動(ウォームアップを含む)は、関節への栄養と酸素の循環を促進し、関節周囲の筋肉を強化する効果もあるとのこと。また、血流が増加し、炎症が軽減され、関節の柔軟性が向上する。
ウォームアップが神経系を活性化させる仕組み
脚を鍛える日のトレーニングやその他のトレーニングの前にウォームアップすると、筋肉や関節と同じように神経系にも効果が及ぶ、とエルマルディは言う。これは、脳と筋肉を結びつけて活性化させる「神経筋」の活動プロセスの一部だ。
ウォームアップは神経系の信号伝達速度を上げ、出力や反応時間に影響を与える可能性があり、また固有受容感覚も高めるとエルマルディは付け加える。これは脳が体の動きや位置を認識する能力であり、固有受容感覚が向上すると、フォームをより正確に把握できるため、トレーニングの効率を高めることができるのだ。
脚を鍛える日におすすめのウォームアップエクササイズ(トレーナー公認)
カリフォルニア州サンタクルーズの筋力コーチであり、筋力トレーニングガイド『Return to Center』の著者でもあるロッキー・スナイダー(C.S.C.S)によると、ウォームアップのドリルは、ワークアウト中に行うエクササイズと似たものであるべきとのこと。
「ルーティンでスクワットを行う場合は、いくつかのスクワットのバリエーションでウォームアップする必要があります」とスナイダーは言う。「ランジをするつもりなら、ウォームアップのルーティンにもランジを含めるべきです。そうすることで、神経系、関節、軟部組織(筋肉、腱、靭帯、筋膜)を、それらの特定の動きに備えることができます」と続ける。だからといって、これらの選択肢だけにこだわる必要はないが、15分間のウォームアップでこれらに重点を置くことは効果的だと彼は付け加える。
脚を鍛える日のトレーニングの一環としてさまざまな動きを行う際は、次の点を考慮したい。
1. 腹式呼吸
深呼吸の時間を取ることで、これからのワークアウトに集中することができる。
- 仰向けになり、膝を曲げ、足の裏を床につける。
- 片手を胸の上部に置き、もう一方の手を胸郭の下辺りに置く。
- 目を閉じて、お腹を膨らませるように鼻から息をゆっくりと吸う。このとき、胸郭の下に置いた手が持ち上がるような感じがするはずだ。胸に置いた方の手は、あまり動かさないようにする。
- 腹筋に力を入れ、横隔膜の辺りから空気を送り出すように、口をすぼめながら息を吐く。息を吐くにつれ、胸郭の下辺りに置いた手が下がっていくのを感じられるはずだ。このとき、胸の上に置いた方の手は、そのまま動かさないようにする。
- その繰り返し。2~3分間続ける。
2. 軽めのカーディオエクササイズ
早い段階で軽いワークアウトを取り入れることで、筋肉全体をウォームアップし、運動の準備を整えられる。
好きなカーディオエクササイズを5分間続ける。最初の2分間は無理しない程度に、残りの3分間はやや高い負荷をかけるようにする。ただし、へとへとになったり、息が切れたりするほど高い負荷をかけないように。アドバイス:運動強度を1~10段階で評価した場合(レベル1はソファに座っている状態、レベル10は全力疾走時)、5または6レベルが適当だろう。カーディオエクササイズの例としては、ウォーキング、ジョギング、ローイング、エリプティカル、サイクリング、スキップ、縄跳びなどが挙げられる。
3. その場で行進
これらのマーチングを行うと、股関節の動きが活発になり、脚を鍛える日のトレーニングに効果的だ。
- 足を腰幅に開いて立ち、腕は両サイドに下ろす。
- 右膝を持ち上げ、90度になるように曲げる。左手で右膝をタッチする。
- 背筋を伸ばした状態で動作を続ける。手で膝をタッチするとき、前かがみにならないように気をつける。
- 最初の姿勢に戻り、反対側の手足を同じように動かす。合計20回、繰り返す。
- 難易度を上げたい場合には、膝をさらに高く上げて反対側の前腕でタッチする。
4. カーツィ ランジ
どのような種類のランジも脚を鍛える日のウォームアップに使えるが、カーツィ ランジは特に腰の小さな筋肉を鍛えるのに効果的だと、スナイダーは説明する。
- 足を肩幅に開いて立ち、両手は腰に当てるか、胸の前で合わせる。
- 右足を斜め後ろに踏み出し、右膝を床にほとんどつくまで下げる。
- 前の膝は約90度に曲げる。
- 左足のかかとで踏ん張って立ち上がり、立った姿勢に戻る。
5. ワールドグレーテストストレッチ
そう、まさにこれがこの運動の名前。エルマルディは、筋力、バランス、可動性を総合的に組み合わせた運動なので、この呼び名がぴったりだと言う。
- まず、足を腰幅に広げて立つ。
- 左膝を90度に曲げた状態で、右脚を後ろに踏み出し、ランジの姿勢になる。
- 上体を左脚の方に前傾させる。
- 右手を地面かブロックに置き、左脚に向かって体をひねり、もう一方の腕は天井に向かって上げる。
6. バード ドッグ
このような動きをすることで、体幹がより鍛えられ、脚を鍛える日のエクササイズ中に安定性が得られる。
- 四つん這いの姿勢になる。手首は肩の真下に、膝は腰の真下になるように床につく。
- 体幹に力を入れ、片方の腕を持ち上げて前方に伸ばしながら、同時に対角となる脚を後方に伸ばす。このとき、頭の先からつま先まで一直線になるようにする。
- 腰は床に対して並行に保つ。
- 少しの間姿勢をキープし、手と膝を床に下ろす。
- 反対側の腕と脚で同じ動作を行う。合計20回、繰り返す。
7. グルート ブリッジ
その名の通り、グルート ブリッジは主に臀筋を鍛える。下半身のセッションでは欠かせないが、体幹や腰の筋肉も鍛えられる。
- 仰向けになり、膝を曲げ、足の裏を床につけ腰幅に開く。
- 腹部に力を入れ、足の裏で床を押すようにし、大臀筋を引き締めながら腰を持ち上げる。
- 膝、腰、肩を可能な限り持ち上げ、一直線になるようにする。
- コントロールしながら、腰を床に下ろす。20~30回、繰り返す。
- 自重グルートブリッジが難しくないようなら、両太もも(膝の少し上辺り)に小さなレジスタンスバンド装着してみよう。
8. デッド バグ
バード ドッグのエクササイズと同様に、仰向けになることで安定性が高まり、腰を保護しながら、体幹の深層肉に働きかけることができるエクササイズだ。
- 仰向けになり両手を胸の前に伸ばし、膝を曲げ、足の裏を床につける。
- 背中で床を押しながら、すねが床と平行になるところまで両膝を持ち上げる。
- お腹を引き締め、片方の腕をゆっくりと耳の横まで倒し、反対側の脚を前に伸ばす。
- このときに、背中の下部が床から離れてしまわないように体幹の筋肉を引き締める。
- 手足をスタートの体勢に戻し、反対の手足で繰り返す。合計20回、繰り返す。
9. ミニバンドを使ったサイドステップ
レジスタンスバンドを使用すると、運動の強度を高め、筋肉への負荷を高めることができる。
- 両太もも(膝の少し上辺り)にミニバンドを装着し、足を腰幅に開いて立つ。バンドの強度は軽度から中等度になるようにセットする。
- クォータースクワットの姿勢になるように腰を下ろす。太ももと大臀筋の外側の筋肉に力を入れ、左足を左に一歩踏み出す。
- 続いて右足も左に一歩踏み出し、足を腰幅に開いた姿勢に戻る。その繰り返し。左右に20ステップずつこなす。
10. ミニバンドを使ったモンスターウォーク
抵抗を加えることで、横方向の動きに使われる筋肉をウォームアップするのに役立つ。
- ミニバンドを太ももに装着した状態で、足が肩幅に開くように足を大きく開く。
- クォータースクワットの姿勢になるように腰を下ろす。太ももと大臀筋の外側の筋肉に力を入れ、左足を外側斜め前方に一歩踏み出す。
- 次に、右足を外側斜め前方に一歩踏み出す。大きな歩幅で前に進んでいく。このとき、できるだけ足幅を広く保つよう意識する。合計20ステップを行う。
- その後、同じように後方へ歩く。合計20ステップを行う。
ウォームアップのフロー
上記のエクササイズのいくつかを、1つの動きを数回繰り返してから別の動きに移るのではなく、フローとして行うことで、ウォームアップ時間を10分間に抑えることができる。簡単なフローの例。
- スキップやジョギングなど、器具を使わない軽いカーディオ
- その場で行進
- ワールドグレーテストストレッチ
- バード ドッグ
- デッド バグ
- グルートブリッジ
これは、立ちエクササイズから始めて、バード ドッグで四つん這いの姿勢になり、最後に仰向けで2つのエクササイズを行うというフロー。
ウォームアップを5分に短縮する方法
脚のトレーニング初心者でも、単に時間が足りない場合でも、よりスピーディーで効果的なウォームアップ方法があり、トレーニングに向けて体を準備するのに有効だと、スナイダーは言う。彼は、ゲイリー・グレイが開発した「ランジマトリックス」を提案している。これは、あらゆる運動面で筋肉を活性化させる。
このルーティンは5つの運動で構成されており、各動作を左右の脚で5〜10回ずつ行うことができる。
- フォワード ランジ(上体は直立したまま)
- フォワード ランジ(ひねり付き、上体を前足の方向にひねる)
- サイド ランジ(両足ともつま先は前に向けたまま)
- アングル ランジ(45度の角度で後ろに一歩下がる。カーツィ ランジとも呼ばれる)
- バック ランジ(立った姿勢から片足を後ろに踏み出す)
「この一連の動きは下半身の完全なウォームアップとなり、時間があまりない場合に役立ちます」とスナイダーは言う。
ウォームアップのよくある間違い
脚を鍛える日のウォームアップで、トレーナーが最もよく目にする間違いは次のとおり。
- カーディオをやりすぎる
- 臀筋の活性化を怠る
- 負荷をかける前にスタティック ストレッチをする
- スクワットやヒンジのパターンを練習しない
「多くの人は、自転車やトレッドミルに5分間乗るだけで十分ウォームアップできると信じています」とスナイダーは言う。「サイクリングやジョギングをするのであれば、それは正しいでしょう。これらのリニアカーディオエクササイズの効果が筋力トレーニングや運動能力向上に及ぼす影響はごくわずかです。体が3次元的にウォームアップできるほど、身体全体のシステムがより良く準備されます」とスナイダーは続ける。
よくある質問
脚を鍛える日のウォームアップにはどれくらい時間をかけるべきか?
これは、ワークアウトとして何を計画しているかによって異なる、とスナイダーは言う。たとえば、あまり激しくない「軽く脚を鍛える日」の場合は、5分で十分かもしれない。あるいは、カーディオセッションの後に脚を鍛える日のトレーニングを始めることもできる。この場合もウォームアップは短くできる。しかし、脚を重点的に鍛える日や、一日中座っていた後にワークアウトを始める場合は、15分と長めのウォームアップを推奨している。
激しいスクワットと軽く脚を鍛える日では、ウォームアップの仕方を変えるべきか?
はい。エルマルディによると、激しいスクワットは関節や筋肉により大きな負担をかけるからだ。「軽い補助トレーニングの日には、簡単なモビリティフローを行うだけで十分かもしれません」と彼は言う。「しかし、激しいスクワットの場合は、トレーニングの負荷よりも軽い重量で、3〜8セットのウォームアップセットをゆっくりと行う必要があります」と続ける。
脚のトレーニングの前にストレッチをすることは役に立つか?
ランジ、バード ドッグ、グルート ブリッジなど、ある程度のストレッチを含むウォームアップは、脚のトレーニングで使う筋肉を活性化させるので効果的だ。
膝の痛みに最適なウォームアップは何?
膝が痛いときは、無理にやり通さないこと、とエルマルディは言う。代わりに、一般的に膝にやさしいウォームアップの運動を行おう。たとえば、フォワード ランジよりもリバース ランジを重点的に行うと、コントロールしやすい傾向がある。また、ボックススクワット(箱や椅子に向かってしゃがむ動作)もエルマルディは推奨している。これは、動作の底で発生する「跳ね返り」を軽減し、膝への負担を軽減する効果がある。
文:エリザベス・ミラード