Mr. YouTubeが気分を上げるダンスを紹介
Athletes*
周りにエネルギーを与えるライトフィートのカリスマが、自分に跳ね返ってくるエネルギーを受け取るプロセスとは
ロサンゼルスのダウンタウンで、Mr. YouTubeが自身の代名詞とも言えるダンス、ライトフィートを披露。
「みんなちょっと静かにして」Mr. YouTubeが注意を促すとスタジオは静まり返る。「ジャーン!お待ちかね、Mr. YouTubeの登場!みんなご存じ、ニューヨークはブロンクスからやって来た唯一無二のダンサーだ!」
Mr. YouTube(別名スウィツォン・ヘイニー、またの名をスイス)をこのように紹介できる人は、彼自身をおいて他にいない。自分で極めたダンスの分野で自らを「キング・オブ・ライトフィート」と名乗る。ライトフィートとは、2000年代前半にハーレムやブロンクスでMr. YouTubeが開拓したダンススタイルのこと。また、自称YouTubeで拡散された最初のダンサー。それがMr. YouTubeという活動名の由来というわけだ。
「みんなに自信を植え付けようとしてる。それこそ僕が発散しているエネルギー」
Mr. YouTubeは、見るからに尽きることのないエネルギーや自信に満ちあふれている。「それこそ僕が発散しているエネルギー。みんなに自信を植え付けようとしてるんだ。自信が秘訣」ロサンゼルスのダウンタウンでMr. YouTubeが指導するライトフィートのクラスを訪れたとき、彼はこう話してくれた。
この自信は自己肯定であり、傲慢ではない。Mr. YouTubeに引き寄せられる人々は、そのカリスマ性に触れて前向きになる。「ダンスを見て、すごくいいと思うときもあれば、微妙だと感じるときもあるかもしれない」彼は語る。「難しすぎると思うかもしれない。僕は自分のダンスを受け入れやすくて誰にでもできるものにしようと取り組んでる。みんながチャレンジするところを見たいんだ」
ところで、Mr. YouTubeのダンスとは実際のところどんなものだろう。ライトフィートは、ニューヨーク市の地下鉄に乗り込み、ドアが閉まると同時に聞こえる「ショータイム!ショータイム!」の呼び声に慣れた人にはおなじみのダンスだ。
ライトフィートには、フットワークや、帽子やシューズを使ったトリックも盛り込まれる。たとえば、ルーティンの途中でシューズを蹴り上げ、それを足で受け止めるトリック。Mr. YouTubeでさえ、いつでもそんなトリックに成功するわけではないが、失敗は気にしない。完璧であることが目的ではなく、失敗を恐れず、自由な自己表現を楽しむことが目的なのだ。その一環として、ライトフィートのダンサーたちは、励ましの声を頻繁に掛け合い、互いに気分を高め合う。
「周りの人々に向けていいエネルギーを発散する。それがまた、自分に戻ってくることになるんだ」
Mr. YouTubeの衰えを知らないポジティブ思考は、簡単に得られたものではない。「僕はストリート出身。荒れた地域に住んでいて、ネガティブなことだらけだった」Mr. YouTubeの話が急に重くなる。
つらい時期、ダンスに集中することが救いになり、また仲間を救うことにつながった。「常にダンスは感情のはけ口だった。困難を切り抜けるとき、ダンスはいつでもそのツールとなってくれた。身体面の健康だけじゃなく、心にもダンスは役立ってる。セラピーみたいなもの。自分の心と体をいたわり、周りの人たちにいいエネルギーを発散する。それがまた、自分に戻ってくることになるんだ」
次のクラスの時間が迫る。気分を上げる時間だ。彼に明るい表情が戻る。「ジャーン!すごい話がある、信じられないような話だよ...」本当にその通り。でも残念ながら、誰にも真似できないような話だ。
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動画:エイミー・ホフマン
写真:タリア・ゴッチェズ
文:ダン・ルックウッド
報告日:2021年7月