パリで異彩を放つサッカークラブ

コミュニティ

6年前にフェルハト・チチェクがアレジアFCを引き継いだときの目標は、地域の人々の生活に変化をもたらすことだった。

最終更新日:2021年4月22日

「サッカーが私を作り上げた」とパリ・アレジアFCのディレクター、フェルハト・チチェクは言う。

2014年にパリ・アレジアFCを引き継いだフェルハトは、現在サッカーを通じてコミュニティを構築しようとしている。彼は、1916年にクラブが設立されたパリの14区で成長した。チームは今もエリザベス・スタジアムでプレーし続けている。私達は、去年の冬にフェルハトと彼のチームに会い、近隣の街並みを歩きながら話をした。彼は両親が住む家の窓を指さし、トルコからの移民である彼がどのようにしてサッカーに人生を捧げることになったかを懐かしそうに話してくれた。

「実を言うと、学校生活は難しかった。両親はフランス語をほとんど話さなかったから、助けてくれる人がいなかったんだ」とフェルハトは回顧する。「みんなより後から来た子どもは、取り残されてしまう」

「サッカーを始めたのはその頃。初めて友達ができたのもその頃だった。その友達とは今でもまだつきあっているよ。サッカーをやっていると現実から逃避できた。自由になれたし、よそ者ではないように感じられたんだ」

パリ・アレジア・フットボールクラブの紹介

フェルハトは、コミュニティの子どもたちにとってもサッカーが同じ役割を果たすことを願っている。過去6年間に、彼はパリ・アレジアFCを、80人から700人を超える規模へと成長させた。そして前シーズンには、市でも珍しい女子用のプログラムを開始。12歳以下のプレイヤーを対象に、女性コーチが指導に当たっている。サッカーは、みんなをまとめ、人生についての教訓を教えてくれると彼は言う。彼自身がピッチで学んだように。

「サッカーはこのスタジアムに息吹を吹き込んだ。そしてサッカーが多くの子どもたちの人生を変えたんだ」フェルハトは言う。「サッカーとは表現方法の1つ。子どもたちには『ここではみんなが成長するんだよ』といつも言っているよ」

新シリーズ、「From the Grounds Up」では、サッカーやスポーツを通じてコミュニティを変えることができる、という信念を持った世界中の人々に話を聞く。

エピソードの視聴はビデオから、またパリ・アレジアFCの人々についての詳細は以下から読むことができる。さらに、これまでのハックニー・ウィックFCやフィッツロイ・ライオンズSCのエピソードもチェックしよう。

コーチ

パリ・アレジア・フットボールクラブの紹介

「何でもできると子どもたちに伝えられるのは、素晴らしいことです。障壁はありません。先週、私は31歳で初めて国外でのセレクションを受けました。そうやって、他人の評価以前に自分で自分を信じれば、何であろうと達成できることを身をもって伝えられたと思います」

ベティ
コーチ

プレーヤー

パリ・アレジア・フットボールクラブの紹介

「火曜日と水曜日に練習、土曜日には試合がある。将来の夢はサッカー選手。チームで協力してスキルを活かしたいから。タクシー運転手もいいな。人の役に立てる仕事がしたいんだ」

レオ
プレーヤー

ボランティア

パリ・アレジア・フットボールクラブの紹介

「このクラブは、私にとって第二の家みたいなもの。毎日、ベッドを整え、部屋を掃除したらクラブハウスに向かいます。そして、皆の食事を作るんです。ケバブ、ケフタ、イタリアンピザ、トルコピザ、何だってね!今ではレストランを経営していて、クラブの皆が食べにくるんですよ」

ファトマ
フェルハトの母

パリ・アレジア・フットボールクラブの紹介

このストーリーは2019年12月に取材したものです。

公開日:2020年11月9日

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