新しいロールモデル

Athletes*

大滝麻未

最終更新日:2021年6月11日
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女子サッカー選手の大滝麻未(あみ)選手はプレイヤーとして現役でありながら、女子サッカーや女性アスリートの価値や地位向上を目指した活動を積極的に行なっている。自らのキャリアや実体験をもとに、彼女が後進たちへ伝えたいメッセージとは?

大滝麻未は一度、サッカーから離れて海外でスポーツにまつわる学びを得たことで、選手としてだけでなく女子サッカーや女性アスリートにまつわる課題を解決したいと考えるようになり選手仲間とともに一般社団法人「なでしこケア」を立ち上げた。プライベートではもうすぐ母になろうとしている彼女は、出産を経た女性アスリートのキャリア復帰についても強い関心を寄せている。

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自身の経験でジェンダーギャップを感じたことはありますか?

大滝麻未:特にサッカーは、男子のスポーツであるっていう偏見がまだまだあると思います。自分たちや周りの選手とかでも、「女子サッカーなんて」とか、男子と比べてそんなに注目されていないと思っているような発言を聞いたりします。あとは身近なクラブのスタッフからそうしたコミュニケーションがあったりして、自分達は価値のない存在なんだみたいに思ってしまっている選手がすごく多い。それはすごく問題だなって思っています。そういうコミュニケーションから変えていかないと、選手はそういう風に思ってしまう。そうした問題は選手だけじゃなく、指導者やクラブスタッフなど全体のマインドを変えていかないとなかなか色々変わっていかないのかなっていうのは感じています。

「選手だけじゃなく、指導者やクラブスタッフなど全体のマインドを変えていかないと」

-大滝麻未

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25歳で一度引退して現役に戻ってきたきっかけを教えてください。

大滝麻未:引退後の2年間、海外の大学院へ行きました。引退しても、女子サッカーのために何かしたいって気持ちはあって、国際サッカー連盟(FIFA)が運営するスポーツにまつわる教育や人材育成、経営などが学べる修士課程“FIFAマスター”で学びました。そのプログラムを通じてたくさんのサッカー好きと出会い、講義の後でみんなでサッカーをしたり、サッカーの試合を見たりして、サッカーを仕事としてできることってこんなに幸せなんだと感じました。あと人との繋がりができたことで、引退後の心配もなくなりました。今は本当に何の心配もせず、出来る限り自分が好きなサッカーやろうみたいな感じです。

「サッカーを仕事としてできることってこんなに幸せなんだ」

-大滝麻未

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「なでしこケア」を設立したきっかけや動機について教えてください。

大滝麻未:現役選手に戻る時に、普通の選手に戻りたくないなというのはありました。今の立場じゃないとできないこともあるなぁと思って、何かしたいと。私が“FIFAマスター”を卒業したのが2017年で、11年に世界大会で女子サッカーが優勝してから数年経過して、女子サッカーは再び注目されなくなっていて。選手という立場から、女子サッカーがもっともっといろんな人から愛されるためにはどうしたらいいんだろう。今、何が課題なのかといったことを他の選手とコミュニケーションを取りだしたのがはじまりです。

「女子サッカーがもっともっといろんな人から愛されるためにはどうしたらいいんだろう」

-大滝麻未

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実際に活動をはじめて感じる現状の問題点や目指していることを教えてください。

大滝麻未:今年から女子サッカーもプロリーグが始まりましたが、それまではアマチュアでした。そのせいか本当にプロ意識が低いなと感じることがあります。「私なんか誰も見てない」とか「女子サッカーなんて」と言う選手がすごく多くて。やっぱりそこのマインドから変えていかなきゃいけないなと思っています。セクハラなどの問題に関しても、中学生とイベントをした時にそうした被害の声も耳にしました。子供たちに嫌なことは嫌という権利があることなどを教えたり、選手としてもしっかり発信して今の若い世代の子達が何の不安もなくサッカーしていけるような環境づくりに貢献したい。自分自身はサッカー選手をやりながらも新しいことを自分でやり始めてみたり、今回の妊娠とかもそうですが、いろんなことに挑戦できることやその可能性を示せたらいいなって思っています。

「今の若い世代の子たちが何の不安もなくサッカーしていけるような環境づくりに貢献したい」

-大滝麻未

大滝麻未とNikeのチャレンジ、Play Newをチェック。一緒に歩もう。

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公開日:2021年6月13日