新しいムーブメント

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能條桃子

最終更新日:2021年7月5日
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一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN代表理事を務める能條桃子は、若者の投票率が8割を超えるデンマークへの留学をきっかけに、2019年にSNSメディア「NO YOUTH NO JAPAN」を立ち上げる。その後、さらに活動を深めるために団体を組織し、60名のメンバーとともに若者への政治参加を呼びかけている。

「自分は決して完璧でも、強くもないし、自信もなかった」と話す彼女が、思い切ってメッセージを発信する立場となったきっかけや想いとは何か。彼女が日本に根付かせたいと願う新たなカルチャーを紐解く。

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SNSメディアであるNO YOUTH NO JAPANを立ち上げた経緯を教えてください。

能條桃子:デンマーク留学がすごく大きなきっかけとなりました。まず一つは、留学中に政権交代が起きて、41歳の女性が首相になった様子を間近で見たこと。こういう社会もあるのかと衝撃を受けました。同時に、デンマーク人の友達1人1人がいろいろ考えて、「自分はもっとこういう社会がいい」ということに対してアクションしていたことです。「なんでアクションするの?」と聞くと、「だってやれば変わるから」、みんな言うんですよ。私は日本を振り返ったときに、やれば変わるからと言える社会じゃないなって思っていたんですけど、デンマーク人の友達との会話を経験していく中で、でも自分から動き出さないと変わっていかないなと思って。じゃあ、日本のためにできることを始めてみようかなとNO YOUTH NO JAPANという団体を留学中に始めました。

「自分から動き出さないと変わっていかない」

-能條桃子

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メッセージを発信する上でのヴィジョンはありますか?

能條桃子:最初は、選挙の投票率を上げたいというのがきっかけだったんです。政治や社会のことは、専門家や政治家の方など一部のプロの人が考えておけばいい。私たちはそれに従っておけばいいというのは、やっぱり違うんじゃないかなと思って。1人1人に社会を変える力があるし、考えて動けば変えられる可能性もあるという意味も込めて、みんなに知ってほしい。任せておかずに、自分はどう思うかという意見を持ってほしい。だからこそ、分かりやすく届くものにしたいなって思って活動をしています。私も活動前は、自分にはそんな資格がないとずっと思っていて、もっと頭がいい人や自信がある強い人がやればいいとどこかで思っていたんです。でも、いったんそういうことを置いといて、本当に自分がこういう社会で生きたいとか、もっとこうしたいっていう想いがあれば、それを大事に。社会に対する違和感とかを捨てないで、一歩踏み出す人が増えたらいいなと思うし、そういう人たちを支えていきたいと思っています。

「社会に対する違和感とかを捨てないで、一歩踏み出す人が増えたらいいな」

-能條桃子

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今まで生きてきた中でジェンダーギャップを感じたことはありますか?

能條桃子:私は多分、他の人よりは経験少ないと思うんですけど、例えば、今、若い世代と政治に関するパネルディスカッションとかに登壇すると、女性の割合が圧倒的に少ない。その中で別に頼まれてもないのに、男性に発言を譲ってしまう。別に誰かに「女性だから黙れ」と言われているわけじゃないのに譲ってしまう。それは子どものときからの経験で、「女の子は黙っているほうがかわいい」とか、「モテる」とか言われるカルチャーの中にいたせいかもしれません。そうした自分の行動や意識も変えていきたいですね。正直たまに、政治の世界のことだったり、男性に生まれていたらもっと楽だったんじゃないかとか思ってしまうこともあって。この社会の中で女性はまだマイノリティーだと感じていて。でも、私が頑張ることによって他の人のためにもなると思うと女性でよかったなって思うし、今は、女性であることがもう自分のアイデンティティーのひとつになっているのかなと思います。

「私が頑張ることによって他の人のためにもなると思うと女性でよかったなって思う」

-能條桃子

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スポーツ選手をはじめ、有名人が政治的な発信をすることはどう思いますか?

能條桃子:私はスポーツ選手や他の有名な方に限らず、普通に生きるみんながしていけばいいと思っています。そうしたロールモデルにもなり得るからこそ、スポーツ選手がどんどん発言するようになっていってほしいなと思うんですが、同時に、発言することへのリスクや怖さは絶対あるなと思っています。日本で政治を話すことって、何か正解があるんじゃないかとか、意見と人格を切り離して話せない。対話する文化が育ってきてないからこそ、リスクってすごくあるなと思います。私ができることは、意見が違っても人格を否定しないこととか、そういうカルチャーを発信していきたいし、そういう発言をしてくれる人は全力でサポートしたいなっていうふうに思います。スポーツ選手とかがもっと発言するようになったら、社会はもっと良くなるんじゃないかなと感じるので、応援したいです。

「意見が違っても人格を否定しないこととか、そういうカルチャーを発信していきたい」

-能條桃子

能條桃子とNikeのチャレンジ、Play Newをチェック。一緒に歩もう。

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公開日:2021年7月5日