カーディオトレーニングとウエイトトレーニングはどちらが先?脂肪の減少と筋肉の増加について科学者が語ること
スポーツ&アクティビティ
考慮すべき要素がいくつかある。
有酸素運動と レジスタンストレーニングの両方を取り入れたワークアウトは、一度で複数の筋肉を効率よく鍛えることができ、よりバランスの取れたアスリートになることができる。しかし、ハイブリッドトレーニングにおける大きな問題は、ウエイトトレーニングの前と後のどちらでカーディオを行うべきかということになる。
それは、脂肪燃焼、筋肉増強、パフォーマンス向上など、目指す目標によって大きく異なる。1日2回のワークアウトも検討した方がよいかもしれない。1日2回のワークアウトとは、一日の前半に全身のワークアウトを行い、後半にもう一度全身のワークアウトを行うというものだ。これが可能かどうかは、スケジュール、体力レベル、エクササイズの好みなど、他の要因に大きく依存する。
筋力トレーニングとカーディオワークアウトを1日ずつ交互に行うのが最適な方法かもしれない。どうスケジュールに組み込むにせよ、どちらも日常的に取り組むことが重要だ。
この記事のポイント
- 筋力や筋肉の増強を目指す場合は、カーディオの前にウエイトトレーニングを行う。
- 持久力向上を優先するのであれば、まずカーディオを行う。
- 脂肪を減らす場合、週ごとの総運動量と継続性が、順序よりも重要となる。
- 強度とリカバリーを適切に管理できれば、カーディオトレーニングと筋力トレーニングを同じ日に行うことは効果的だ。
- カーディオとウエイトリフティングを別々の日に分けることで、瞬発的な筋力と回復力が向上させることができる。
カーディオとレジスタンストレーニングの両方が必要な理由
有酸素運動は、心臓や肺が酸素を筋肉に送ってエネルギーにする能力、つまり心肺機能を高める。一方、レジスタンストレーニングは、筋肉量を増やし、筋力を向上させる効果がある。また、このようなエクササイズは骨に良い負担をかけ、より丈夫で密度の高い骨を作ることで骨量の減少を防ぐのにも役立つ。
有酸素運動とレジスタンストレーニングの両方を、定期的なエクササイズプランの一環として行うと、その効果は相乗的に高まる。『British Journal of Sports Medicine』誌の2022年号に掲載された研究によると、有酸素運動とレジスタンスエクササイズの両方の身体活動推奨量を満たすと、座ったまま過ごす成人と比較して、早期死亡リスクが最大で41%低くなることがわかった。
ちなみに、有酸素運動の推奨量は、中程度の負荷の身体活動で週150分以上、中~高程度の負荷の身体活動で週75分以上となっている。レジスタンスエクササイズについては、すべての主要筋肉群を対象として週2日が推奨されている。
有酸素運動の例を以下に挙げる。
- パワーウォーキング
- サイクリング
- ジョギングやランニング
- ローイング
- HIIT
筋力トレーニングの例を以下に挙げる。
カーディオトレーニングと筋力トレーニングを同じ日に行ってもいい?
目標に応じて、カーディオトレーニングとウエイトトレーニングの間隔を空けるのがよい場合もある。カーディオトレーニングは異化作用であり、筋力トレーニングは同化作用であるため、筋力トレーニングとカーディオトレーニングを一緒に行うと、筋肉の増加効果が損なわれる可能性がある。つまり、カーディオトレーニングはタンパク質や脂質などの分子を分解してエネルギーを生み出すのに対し、筋力トレーニングは小さな分子からより大きく、より複雑な分子を合成する。基本的に、分子を燃焼させながら同時に分子を合成することはできない。
2022年の『Sports Medicine』誌に掲載されたメタ分析では、1回のセッションでカーディオトレーニングと筋力トレーニングの両方を行うと、筋肉の成長や筋力の向上こそ妨げられないものの、爆発的筋力を示す指標は低下することがわかった。これは、一瞬で筋力を極限まで発揮する能力を指す。一方、総合的な筋力とは、全身の筋肉の強さを指す。ただし、誰もが爆発的筋力を最大限に高める必要があるわけではない。これは主に、短距離走、サッカー、バスケットボール、アメリカンフットボールなど、素早い加速やすばやい方向転換が求められるスポーツ選手にとって重要な要素となる。
しかし、よりバランスの取れたアスリートになるためなど、これら2種類の運動を組み合わせる理由はたくさんある。
脂肪を減らすなら、カーディオトレーニングとウェイトトレーニングはどちらが先?
脂肪を減らすためには、エクササイズの順序よりも、総カロリー消費量とワークアウトの継続性が重要となる。しかし、最初に筋力トレーニングを行うと、脂肪を落としながら筋肉量を維持するのに役立つ可能性がある。研究によると、筋肉量が多いほど、安静時の代謝率(安静時のカロリー消費量)が高くなることがわかっている。
「たいていの場合、ウエイトトレーニングの後にカーディオをした方が、カーディオを先に行うよりも効果的です」と指摘しているのは、全米スポーツ医学アカデミー認定パーソナルトレーナーのクリス・トラビス。なぜなら、カーディオトレーニング(ランニング、インドアサイクリングクラス、HIIT、サーキットワーク)は心拍数と呼吸数を増加させ、端的に言えば、かなり疲れるからだ。ウエイトトレーニングに移るときに、体が疲れ切っているようでは困るでしょうとトラビスは言う。言い換えれば、ウェイトトレーニングがもたらす効果を損なってはならないということだ。
筋肉増強のためなら、カーディオトレーニングとウェイトトレーニングはどちらが先?
この2つを組み合わせて1つのセッションを行うなら、一般的にはウエイトトレーニングを行ってからカーディオを行うのが良いと語るのは、理学修士号、認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト資格を持つエンヤ・シェンク。実際、研究では、持久力トレーニングの前に筋力トレーニングを行うと、筋力トレーニングの前にカーディオを行う場合と比べて、より重い重量を持ち上げることができる(したがって、長期的には筋力が向上する)ことが示されている。さらに同じ研究では、筋力トレーニングをカーディオの前に行っても、カーディオトレーニングによる潜在的な効果は損なわれないとも結論付けられていた。
考慮すべきもう1つの点として、疲労を感じながらウエイトトレーニングを行うと、フォームが崩れ、怪我のリスクが高まる可能性があることが挙げられる。
ウェイトトレーニングの前にカーディオトレーニングを行うと、筋力増強に悪影響があるのか?
それは場合による。ウエイトリフティングの前に長時間または高負荷のカーディオトレーニングを行うと、筋力の発揮が制限される可能性がある。しかし、筋力トレーニングの前に短時間のカーディオでウォームアップを行うことは有益である可能性があるとトラビスは述べている。
カーディオを始める前に、5~7分かけて以下のいずれかを行うことを意識してほしい。
- ローイング
- サイクリング
- トレッドミルでのジョギング
- ウォーキング
軽いカーディオでウォーミングアップをすると体温が上がり、疲労を起こすことなくこれから使う筋肉が活性化するとトラビスは説明している。簡単に言えば、短時間のカーディオで、その後のハードワークに向けた体の準備ができるということだ。
有酸素持久力を高めるなら、カーディオトレーニングとウェイトトレーニングはどちらが先?
有酸素持久力向上が目標である場合は、カーディオトレーニングを最初に行うべきだ。そうすることで、ランニング、サイクリング、水泳などの有酸素運動能力を高めることにエネルギーを集中させつつ、筋力トレーニングのための余裕も確保できる。
概要:
- 筋肉を増やす、または筋力を鍛える場合:まずは筋力トレーニング
- 持久力を要するレースに向けたトレーニング:カーディオを優先
- 一般的なフィットネス:どちらでも良い
- 時間が限られている場合:カーディオと筋力トレーニングを1回のセッションで組み合わせ、メインの目標を優先する
カーディオと筋力トレーニングを組み合わせたハイブリッドワークアウトに適したシューズは?
カーディオトレーニングと筋力トレーニングを組み合わせたワークアウトに適したシューズは、カーディオのみのセッションやヘビーリフティングのセッションに最適なシューズとは異なる。ランニングを主なカーディオトレーニングとして行うなら、クッショニングに優れたシューズが必要となる。筋力トレーニングには、安定性が求められる。カーディオと筋力トレーニングの両方を行うハイブリッドセッションでは、両方のトレーニングの特性に向いたシューズが必要となる。つまり、ウェイトリフティングに必要な安定性と、素早い動きや短距離走に必要なクッション性と柔軟性を兼ね備えたシューズだ。
ナイキ フリー メトコン 7は、安定性と柔軟性のバランスに優れた多用途シューズで、HIIT、軽いウエイトリフティング、ダッシュといったさまざまなワークアウトのニーズに対応している。
よくある質問
脂肪を減らすなら、カーディオトレーニングとウェイトトレーニングはどちらが先?
この場合、順序よりも全体的なカロリー燃焼量の方が重要となる。カーディオの前にウェイトトレーニングを行うと、カーディオに移行する前に、望ましい筋力増加を達成するのに十分なエネルギーを確保できる可能性が高まる。さらに、筋肉量が多いほど安静時のカロリー消費量も増える。
筋肉増強のためには、カーディオの前に筋力トレーニングを行う方がよい?
はい、筋肉増加のためには、一般的にカーディオの前にウエイトトレーニングを行う方が良い。そうすることで、筋力トレーニングにエネルギーを集中させることができる。ただし、短時間のカーディオによるウォームアップは、その後のワークアウトに向けて体の準備を整えるのに役立つ。
カーディオトレーニングと筋力トレーニングを同じ日に行ってもよいか?
データによると、カーディオトレーニングと筋力トレーニングの間隔を少なくとも6時間あけるのが理想的だと示唆されているが、それぞれのトレーニングにおける進歩を最大限に高めるためには、間に丸一日のリカバリー時間を設けるのが良い。
カーディオトレーニングとウエイトトレーニングの間にはどのくらいの時間を空けるべきか?
筋力トレーニングとカーディオトレーニングの両方で最大限の効果を得ることを目標としている場合、セッション間に24時間のリカバリー時間を設けることが研究では推奨されている。