ランニングで脚の筋力を鍛えられるか?

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ランニングが身体にもたらす効果は期待以上だ。

最終更新日:2026年1月12日
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ランニングで脚の筋力を鍛えられるか?

脚の筋肉を鍛えたいのなら、レジスタンストレーニングが一番の早道。ウェイトを使うスクワット、ランジ、ヒップスラストは、どれも下半身の強化に適した運動だ。しかし、ランニングも脚の筋肉強化に役立つと知ったら驚くだろうか。

これに先立ち、フィットネスの専門家たちにランニングが臀筋、大腿四頭筋、ハムストリング、ふくらはぎといった脚の筋肉をどのように鍛えるかについて話を聞いた。さらに、筋力を鍛えるための最適なワークアウトと、効果を最大限に引き出すためのリカバリーと栄養に関するヒントも紹介しよう。

概要:ランニングで脚の筋肉は鍛えられる?

  • ランニングは、特に丘陵やトレイルなど、変化に富んだ地形を走ることで、大腿四頭筋、ハムストリングス、臀筋、ふくらはぎ、股関節屈筋群を強化する。
  • ランニングで脚の筋肉を鍛えるには、漸進的過負荷、つまり徐々に強度を高めて筋線維に微小な断裂を起こすトレーニングが必要となる。
  • 筋肉の増加を最大化するには、高負荷の短距離走、ヒルインターバル、筋力トレーニングを組み合わせて行うのが効果的だ。

筋力増強の仕組みと筋力の種類

筋肉をつけるには、これまでにないハードな刺激を体に与えなければならないというのが、過負荷(オーバーロード)の原則だ。負荷が加わることで筋繊維に分解が起こる。これが筋タンパク質分解(MPB)と呼ばれる現象だ。そして、筋タンパク質合成(MPS)と呼ばれる修復過程で、適切な栄養補給によって筋繊維の強化が促進される。

ACSM認定の運動生理学者であり、Treadmill Review Guruのランニングバイオメカニストでもあるケーリー・レイによれば、筋肉の成長と強化には筋肥大(筋肉を大きくする)、リモデリング(ワークアウトプランを徐々に変える)、神経筋適応(筋肉と神経系の間の伝達を改善する)の3つが必要になる。

ただし、筋肥大と筋力強化の違いを理解することも重要だ。この2つは密接に関連しているが同じ意味ではない、とレイは言う。「筋肥大、つまり筋肉の成長は外見的な目標を重視していますが、筋肉の量が増えると走るスピードが低下してランニングに不利になる場合があります」と彼女は指摘する。「それに対して、筋力強化に重点を置けば、より効率的に筋肉量とパフォーマンスを高めることができ、筋肉が増えすぎることもありません」

とはいえ、トレーニング中に筋肉がつくのを恐れる必要はない。実際には、筋肉は自然な形で増えることが多い。

ランニングで脚の筋力を鍛えられるか?
ランニングで脚の筋力を鍛えられるか?

異なる種類の筋繊維を鍛える方法

ダッシュロングランかといったように、どのような負荷をかけるかによって、異なる種類の筋繊維が刺激に反応し、強化される。ランニングに関係があるのは、遅筋繊維(1型筋繊維)と速筋繊維(2型筋繊維)という2つの骨格筋繊維だ。遅筋繊維は疲労しにくいが、ゆっくり収縮して弱い力を発揮する。速筋繊維は疲労しやすい反面、速く収縮して強い力をもたらす。

ロングランを行うときは、遅筋繊維が長距離にわたってペースを維持してくれる。一方、スプリントインターバルのようなスピードを出すワークアウトを行うときは、速筋繊維が使われる。脚の筋肉はすべて、この2種の筋繊維の組み合わせでできているため、持久力ランとスピードトレーニングの両方を取り入れて、筋力と体力の向上を図ることが望ましい。

「きついと感じるスピードで走ると筋肉に対する負荷が高まり、より効率的に大きな力を発揮する能力が求められます」とレイは言う。「一方、長時間のランニングで必要になる筋肉の特性は、疲労に対する耐性や、一定の力を繰り返し生み出す能力です」どちらのタイプのワークアウトも筋肉の強度と持久力の向上に不可欠だ。

初心者向けのランニングプログラムでは、たいていまず土台となる持久力の向上に重点を置く。スピードトレーニングを取り入れる前に、週に数回、負荷の低い快適なペースで走ることから始めよう。そうすれば、体はさらなる衝撃に耐えやすくなり、けがのリスクが低くなる。

次に、漸進性過負荷の原則に従い、徐々に新しい負荷をかけて継続的な筋肉強化を促す。体は最終的に現在の負荷に適応してしまうため、ランの強度や頻度を高め、距離を増やそうとしない限り、パフォーマンスは向上しないのだ。テンポランインターバルトレーニングを始める前に、筋力トレーニングプログラムを導入すると、怪我の予防に役立つ。ダッシュかロングランかといったように、どのような負荷をかけるかによって、異なる種類の筋繊維が刺激に反応し、強化される。ランニングに関係があるのは、遅筋繊維(1型筋繊維)と速筋繊維(2型筋繊維)という2つの骨格筋繊維だ。遅筋繊維は疲労しにくいが、ゆっくり収縮して弱い力を発揮する。速筋繊維は疲労しやすい反面、速く収縮して強い力をもたらす。

ロングランを行うときは、遅筋繊維が長距離にわたってペースを維持してくれる。一方、スプリントインターバルのようなスピードを出すワークアウトを行うときは、速筋繊維が使われる。脚の筋肉はすべて、この2種の筋繊維の組み合わせでできているため、持久力ランとスピードトレーニングの両方を取り入れて、筋力と体力の向上を図ることが望ましい。

「きついと感じるスピードで走ると筋肉に対する負荷が高まり、より効率的に大きな力を発揮する能力が求められます」とレイは言う。「一方、長時間のランニングで必要になる筋肉の特性は、疲労に対する耐性や、一定の力を繰り返し生み出す能力です」そして、どちらのタイプのワークアウトも筋肉の強度と持久力の向上に不可欠だ。

初心者向けのランニングプログラムでは、たいていまず土台となる持久力の向上に重点を置く。スピードトレーニングを取り入れる前に、週に数回、負荷の低い快適なペースで走ることから始めよう。そうすれば、体はさらなる衝撃に耐えやすくなり、けがのリスクが低くなる。

次に、漸進性過負荷の原則に従い、徐々に新しい負荷をかけて継続的な筋肉強化を促す。体は最終的に現在の負荷に適応してしまうため、ランの強度や頻度を高め、距離を増やそうとしない限り、パフォーマンスは向上しないのだ。一方、テンポランやインターバルに取り組む前に筋力トレーニングを取り入れると、けがの予防に役立つ。

ランニングで脚の各筋肉群を鍛える方法

ランニングのワークアウトで鍛えられる筋肉はたくさんあるが、主に5つの筋肉が使われる。「ランニングのルーティンにさまざまな地形や強度を組み込むと、こうした筋肉が効果的に刺激され、徐々に筋力や持久力を高めることができます」と、The Edge Fitness ClubsのACE-CPT、NASM-CES、シニアフィットネスマネージャー兼TRXトレーニングスペシャリストとして活躍するコリン・モローは述べている。

大腿四頭筋(太ももの筋肉)

モローによると、大腿四頭筋は膝の伸展に不可欠で、ランニングの蹴り出しの動作に大きく関わっているとのこと。さらに、「大腿四頭筋は、特に下り坂で衝撃やブレーキを制御するために多くの仕事をします」と、認定ランニングコーチであるカリーナ・リップスは述べている。

ハムストリング(太ももの裏側の筋肉)

「ハムストリングは膝の屈曲や股関節の伸展をサポートし、前方への推進力を得るために欠かせません」とモローは言う。

臀筋(お尻の筋肉)

「大臀筋には骨盤を安定させる働きがあり、股関節の伸展を助け、力強いストライドに必要なパワーを供給します」彼はそう説明する。

腓腹筋とヒラメ筋(ふくらはぎの筋肉)

リップスによると、ふくらはぎはほぼ常に動いているという。「ふくらはぎには、蹴り出して勢いよく前進するときに重要となる足首の底屈を助ける働きがあります」とモローは付け加える。

股関節屈筋(太もも上部の筋肉)

「股関節屈筋は脚を持ち上げて歩幅を広げるスイングフェーズで活発に働きます。これはランニングの前進にとって重要です」彼はそう説明する。

筋力強化に最適なランニングの種類

基礎的な有酸素運動を確実にできるようになったら、スピードセッション、筋力トレーニング、長距離走をトレーニングプランに組み込んでみよう。スプリントインターバルとレジスタンストレーニングを週に1〜2回行うと、運動能力の向上が期待できるだけでなく、2つのワークアウトの組み合わせによって脚の筋肉強化も促進される。

スプリントワークアウト

レイの指摘によれば、短距離走で使われるのは2型筋繊維とも呼ばれる大型の速筋だ。「この筋繊維は、1型筋線維より肥大しやすいため筋肉の成長で重要な役割を果たします。1型筋線維のほうは、一般的に持久走で使われます」と彼女は説明する。「スプリントワークアウトは、トレーニングを続けているアスリートでも筋肥大の効果が得られることが研究で示されています」

長距離ランナーにとっても、スプリントワークアウトはメリットがある。「負荷の高いスプリントとリカバリーを交互に行うことで、筋力と心血管系の両方を強化できます」とモローは話す。

上り坂と下り坂のトレーニング

エキスパートによれば、上り坂と下り坂、どちらのインターバルでも脚のさまざまな筋肉を鍛えることができる。「上り坂を走ると抵抗が強くなり、臀筋、ハムストリング、ふくらはぎが一層鍛えられます。それらすべての結果として筋肉の成長が促進されます」とモローは言う。

下り坂を走るときも脚の筋肉を鍛えられるとレイは付け加える。下り坂のランニングはエキセントリック運動であり、筋肉は伸ばされるだけでなく、重力により体が急激に下に引っ張られるのを防ごうとする。

「脚の筋肉に大きな負荷がかかり、筋肉の痛みや疲労、損傷が増加する可能性があります」とレイは言う。「しかしランナーは、自分に役立つ範囲で、下り坂でのトレーニングを適度に取り入れてかまいません」筋肉の損傷を引き起こすメカニズムは、同時に筋肉の成長を刺激する仕組みでもあるからだと彼女は説明する

坂道のコースやトレイルランを徐々にトレーニングに取り入れてみよう。「トレイルランニングでは、凹凸のある路面によって安定性をつかさどる筋肉や膝下の筋肉がより強く影響を受け、難易度が高まります」とモローは言う。

長距離ランと筋力トレーニング

持久力が向上すると、有酸素能力の面でメリットがあるだけでなく、脚の筋肉の強化にもつながる。

「多くのアスリートが『干渉効果』、すなわち持久力トレーニングがレジスタンストレーニングによる筋肉の成長を妨げる可能性について心配していますが、研究では、持久力トレーニングと筋力トレーニングを両方行う方が良い結果が得られることが示されています」とレイは指摘する。

実際、運動生理学者であり、RRCAおよびUSATF認定のランニングコーチ、そしてRunning Strongのオーナーでもあるジャネット・ハミルトン(C.S.C.S.)は、脚の筋力を向上させるために、ランニングに加えてレジスタンストレーニングを行うことを推奨している。なぜなら、「自分の体重よりも大きな負荷をかけることができる」からだ。

適切な栄養補給を続け、十分な量のタンパク質を毎日摂取する限り、距離が長くなっても筋肉量を増やすことは可能だとレイは言う。

ランニングで脚の筋力を鍛えられるか?

ランニングで脚が太くなるか?

「ランニングで脚が太くなるのだろうか?」と疑問に思うかもしれない。しかし、ほとんどの人にとって、ランニングだけで脚が「太くなる」ことはない。International Sports Sciences Association(ISSA)によると、筋肉量を大幅に増やすには、通常、追加の筋力トレーニングとより多くのカロリー摂取が必要となるそうだ。

ランニングで脚の筋肉を鍛えるためのヒント

筋肉をつけるには栄養が欠かせない。なかでもタンパク質は特に重要だ。国際スポーツ栄養学会(ISSN)は、アスリートが筋肉をつけ、維持するために、1日に体重1kgあたり1.4~2gのタンパク質を摂取するよう推奨している。

「トレーニングラン中の適切な栄養補給は、長距離ランナーにとってメリットがあります。炭水化物の蓄えが少ないときにエネルギー源としてタンパク質を使わずに済むのです」とレイは話す。一般的に、毎日十分な量のタンパク質を摂取すると筋肉の修復と成長も促進される、とモローは付け加える。

そしてリカバリーも大事なポイントだ。インターバルトレーニングに励んだ後の数日は、体を休ませよう。アクティブリカバリーとパッシブリカバリーには違いがある。サイクリング水泳ヨガなどのアクティブリカバリーのエクササイズを取り入れると、関節の可動域を維持しながら体を休ませ、筋肉を修復することができる。パッシブリカバリーで必要になるのは体を動かさずに休養することだ。2~3日完全に休んでも問題ない。体の声を聴き、体が求めるリカバリー方法を探ることが重要だ。

運動からの適切なリカバリーには、睡眠も欠かせない。「体を元の状態に戻す深い睡眠は、筋肉の修復と成長に不可欠で、激しいワークアウト後の体の回復に役立ちます」とモローは説明する。現に、毎晩の睡眠の質を確保できないと、筋力低下につながることがわかっている。

よくある質問

ランニングだけで脚の筋肉を鍛えられるか?

リップスによると、ランニングだけで筋肉を増やすことは、特に、ランニングを始めたばかりの人や、初めて坂道を走ったりスピードを上げた場合に可能だ。「しかし、ほとんどのランナーは、ランニングだけでは筋肉を増やし続けるのに十分ではないという段階に到達します」とリップス。「そこで役立つのが筋力トレーニングです。筋力トレーニングは、ランニングではできない方法で筋肉をより明確に、より直接的に強化するための信号を送ります。そうして鍛えることにより、通常、より快適にランニングできるようになります」

ランニングをする場合、週に何日筋力トレーニングをするべきか?

ハミルトンは、ランナーに週に2~3回の筋力トレーニングを提案している。「トレーニングに支障をきたす感覚を覚えることなく、筋力を強化するには十分な頻度です」とリップスは言う。リップスによると、本当に忙しい週や走行距離が多い週には、週に1回の筋力トレーニングセッションでも大きな違いが生まれるそうだ。

筋肉の成長に最適なランニングの種類とは?

ハミルトンによると、筋肉の成長を達成したいのであれば、ランニングで自分自身に挑戦する方法を見つける必要があるという。坂道のトレーニングや、慣れていない地形でのランニングは、筋肉の成長に最適なのだそうだ。軽めのランの後にストライド(短い高速ランニング)を行い、長距離のスローランニングに高速ランニングを組み合わせることも有効だとリップスは指摘する。

ランニングで筋肉が分解されてしまうのか?

「ランニングをすると自然と筋肉が分解されるわけではありませんが、トレーニング方法そしてエネルギーの補給方法が鍵となります」とリップス。「長い距離を走る場合、十分に食事を摂らないこと、筋力トレーニングしないこと、そしてしっかり回復しなことで、体は筋肉を作る代わりに分解し始める可能性があります。これはランニングすることが問題なのではなく、回復とエネルギー補給の問題です。ランニングは、十分な食事、休息、賢いトレーニングと組み合わせることで筋肉の成長をサポートします」

文:シャイアン・バッキンガムとダニエル・ジックル

公開日:2026年1月12日

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